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2023年12月号

平岡農園

洲本市宇山451

TEL.0799-22-2729

事業内容/ミカン、レモンなど柑橘類の生産・販売

副代表/平岡 まき

https://www.hiraokanouen.com

ひょうご農商工連携ファンド 事業助成金を活用して

  • 多様な支援策の情報を得られた
  • 迅速な商品化の後押しになった
  • リキュール展開の足がかりをつかめた

この事業について

イタリアで出合った思い出の
リキュールを酒蔵と
タッグを組んで商品化

平岡農園

副代表平岡 まき
農園の全景。果実狩りの受け入れもしています

生産レモンが県の認証食品に

 先代の平岡龍麿さんが1955年、洲本市内の山を切り開いて温州ミカンの苗を植えたのが同農園の始まりです。「義父は津名で漁をしていたのですが、細る漁獲量に将来を案じ農業に転じました。当初は実家でも栽培していた島特産の鳴門オレンジに挑戦したものの、津名より寒い洲本ではうまく育たず、温州ミカンに切り替えたそうです」と副代表の平岡まきさん。
 2000年ごろ、妹から「無農薬レモンを作ってみたら」と言われ、軽い気持ちで8本の苗木を育てたことからレモン栽培がスタート。県の「ひょうご食品認証制度」の認証を受け、被認証者が参加できる商談会で取引先を着実に増やしていき、その後の瀬戸内レモンブームの波にも乗ることができました。
 現在、レモンの栽培面積はミカンと同じ3haを占めています。ユーアールエー㈱(淡路市)が醸造する「あわぢびーる」の中でも人気の高い「島レモン」やアンリ・シャルパンティエの「淡路島産レモンを使ったマドレーヌ(期間限定商品)」をはじめ、多くの食品に採用されています。

採れたてのレモンを販売しています

脳梗塞で倒れた夫のためにも

 7年前、代表で夫の潔さんとイタリアのレモン農園で飲んだレモンのリキュール、レモンチェッロのおいしさに驚いたというまきさん。その後、潔さんが脳梗塞で倒れ、大好きな畑作業に出られなくなってしまいます。「2人のイタリアでの思い出を何とか形にしたい」と訪れた農園のレシピそのままのレモンチェッロ作りに挑みました。
 タッグを組んだのは姫路市の酒蔵で、リキュール製造免許も持つ壺坂酒造㈱。同農園が生産するレモンの中でも香り高い品種「アレン・ユーレカ」の熟した黄色の皮を使い、完成にこぎ着けました。
 また、レモン栽培を始める時にもアドバイスを受けた南淡路農業改良普及センター指導員からの勧めで、農商工連携の助成金を活用することに。レモンチェッロの試作費用や広告宣伝のためのウェブサイトの作成費用に充てることができました。「助成金は利用できる年度が決まっているのでスピード感が求められました。制度がなければこんなに早く完成していないですね」と笑います。
 9月に神戸市で開かれた「国際フロンティア産業メッセ2023」にブースを出展した際には、車いすの潔さんも会場に足を運びました。神戸阪急「ひょうごふるさと館」での販売も決まり、年明けには営業活動を本格化させる予定です。「いずれはレモンだけでなく、ミカンやライムのリキュールにも挑戦したい」とまきさんは意気込みます。

産業メッセには代表の潔さんも来場