農薬原体の製造プロセスを研究する
生産技術部門を集約した新拠点を設立
石原産業㈱ ひょうご小野研究センター

アクセスの良い産業団地に立地
大阪市に本社を構える同社は、白色顔料となる酸化チタンを製造する無機化学事業と、農薬や動物用医薬品などを製造する有機化学事業を展開する化学メーカーです。
収益の中心を担う農薬事業は自社開発品比率が高く、製品の開発は、新規有効成分の探索、効果確認、安全性確認を実施する滋賀県草津市の中央研究所と、商業生産に向けた検討を進める三重県の四日市工場で行われていましたが、商業生産の製造法確立を担う部門の強化を図るため、拠点を新たに設立することになりました。
「新拠点の用地選びで重視したのはアクセスの良さ。本社や草津、四日市と行き来しやすく、上下水道などが整っていることが条件でした」と村上勝美センター長は振り返ります。条件に合う用地を関西圏で探すため、2021年、ひょうご・神戸投資サポートセンターに問い合わせ、支援を受けることになりました。
「遠方の候補地にも同行してもらったほか、県の産業立地促進補助金などの情報を教えてもらいました。補助金は新拠点開設の大きな後押しになりました」
他府県の候補地も挙がる中、最終的にひょうご小野産業団地を選び、2025年12月、4万3,600㎡の広大な用地に「ひょうご小野研究センター(TREC)」を建設しました。建設に当たっては、サポートセンターから紹介された小野市の仲介の下、住民説明会を開くなど、地域との信頼関係構築にも努めました。

働きやすい環境を整備し地域貢献も
TRECでは、中央研究所が発見した農薬の有効成分を安全かつ低コストで大量生産する方法について研究しています。「技術研究棟と合成研究棟の2棟を建て、まず技術研究棟で小規模な実験とその約10倍の規模での試験をした後、合成研究棟でさらに規模を大きくして反応の安定性や実施の安全性を検証します」と村上センター長。
施設づくりにはスタッフの声を反映し、実験室の作業エリアを広く確保し、事務エリアはフリーアドレスを採用。和洋2室の休憩室や開放的な吹き抜け階段も設けました。こうした働きやすさや健康的な職場環境が評価され、「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)ウェルネスオフィス認証」で最高位のSランクを取得しました。また、県と「企業の森づくり活動への取組に関する協定」
を締結し、TRECから南東へ約8kmにある小野アルプスの一部を「ISKの森」として森林保全活動を行うなど、地域との共生にも注力しています。
「敷地には増築できる余裕があります。積極的に地元の優秀な人材を雇用して技術開発を加速させ、会社業績とともに地域へも貢献していきたい」と展望を語ります。

