ビーツを使った商品を製造・販売
地域農業活性化とアスリート支援の両立に挑む
㈱beweis

日本産ビーツをアスリートの力に
神戸市で無農薬栽培のビーツを使った商品を製造・販売している同社。ビーツは地中海沿岸原産の赤紫色の根菜で、血液を作るのに必要な鉄分や葉酸、疲労回復効果が期待できる硝酸塩などの栄養素を豊富に含むことから、欧米を中心に注目されているスーパーフードです。
2022年夏、国内最大級のファーマーズマーケットの企画運営経験を持ち、食と農、伝統産業分野のマネジメントを行っていた山田真輝社長と、元プロサッカー選手で、ドイツのトレーナーに勧められたビーツを日本に広めようと考えていた酒井高聖さんが、神戸で偶然出会い意気投合。23年、「アスリートの活躍を日本の農業で支えたい」と同社を共同創業しました。
同社が展開するビーツ専門ブランド「BETTE」の特長は、農家にリスクを負わせない全量買い取りの仕組みです。兵庫県と京都府の契約農家16軒と顔の見える関係を築き、無農薬栽培のビーツを安定的に確保。水煮や甘酒などの商品を自社で企画・加工しています販売はオンラインストアをはじめ、兵庫県内では酒井さんが経営するカフェこだわり食材がそろうスーパーなどの他、関東にも販路を拡大。プロのサッカー選手や野球選手の専属シェフを務める管理栄養士と連携してレシピ集を作成し、アスリート食としての普及も図っています。

助成金を活用して実現した理想の加工場
創業初年度の23年夏、予想を上回る大豊作により、ビーツの保管場所確保と加工能力アップが課題となりました。そこで大きな支えとなったのが神戸商工会議所を通じて知った、ひょうご産業活性化センターの「起業家支援事業助成金」です。山田社長は「創業期で何かと出費が多い中、対象範囲が広く使い勝手も良いこの制度に非常に助けられました」と振り返ります。助成金を利用して本社とは別に、加工場のための空き家を神戸市中央区に借り、大型冷蔵庫や自動皮むき機、コンロなどの設備を導入。素材の色や栄養価を損なわない保管と加工が可能になりました。「理想の商品を生み出すための加工場を持てたことは、大きな前進でした」
今後はレストランへの卸を増やしつつ一般消費者への定着を目指すとともに、美容や健康に関心が高い層へアプローチするため、加工場の拡張も視野に入れています。また、英国の先行事例をモデルにした持久系競技者向けの高濃度ドリンクの商品化に向け、兵庫県立大学と共同研究を行っています。「高品質なビーツ商品を通して新たな食文化を広め、地域農業とスポーツの好循環を生み出したい」と山田社長。農村と都市を結ぶ持続可能なビジネスモデルの確立に意欲を燃やします。

