尼崎重機㈱

修理工場から建機製造業へ
同社は、油圧ショベルのアームやアームの先端に付けるアタッチメントの設計・製造と建設機械修理の2本柱で事業を展開。看板商品であるアームの「プロボ」と「アナトラ」は日本キャタピラー社に納品し、純正カスタム品として扱われています。
「現場環境によっては、建機メーカーの純正品では作業しづらい時があります。そこをフォローするのが当社の商品です」と西尾久社長。プロボは長さが異なるS・M・Lの3タイプがあり、Sは地下やトンネル等の狭小空間での掘削に、Lは高い建造物の解体に適しています。
1962年、初代社長の山本節男さんが各種機械整備で培った技術を生かし、建機修理業で創業。顧客から寄せられる建機の問題点等の相談に応えるうち、商品開発力が蓄積されていきました。長男で前会長の新太郎さんは、ものづくり企業としての発展を目指し、2003年に建機メーカーの設計部門にいた西尾社長を招へいしました。
05年、同社が初めて一般製品として開発した切断カッターアタッチメントが、日本キャタピラー社の目に留まったことをきっかけに、専用品を受注するようになりました。

助成金を活用し米国で販路調査
堅調な業績を背景に、西尾社長は事業拡大の一手とし「AMAJYU」ブランドの米国進出を画策しました。「米国では小回りが利く建機が製造されていないので、現地のメーカーやレンタル会社と代理店契約を結べないかと考えました」。2022年、海外での販路開拓に関する公的支援を探す中、ひょうご海外ビジネスセンターの海外展開支援助成金を知りました。「渡航費や滞在費に加え、通訳費も助成してもらえて心強かったです」
同年は13社、翌23年は17社を訪問。24年はテキサス州で計画されている日本式新幹線の建設に向けた販路開拓調査を行いました。商談の席では一様に「なぜ、日本ではこんなに小さな機械を使うのか」と聞かれたといいます。「地下やトンネルでも使えるものだと説明しました。
広大な米国でも、都市部に駅を新設するなら、地下に造ることになるのではないかと踏んでいます」。25年は助成金を活用し、越境ECサイトを開設。シリンダーカバーやミニショベル用のキャビンプロテクターといった安価な樹脂製品の販売からスタートする予定です。
西尾社長は3度の渡米経験から「米国人とのビジネスは難しくない」という印象を抱いたといいます。「訪問先では歓待され、日本人のことを信頼している様子が伝わってきまた。PRの仕方次第で商談に発展する手応えをつかめました」。壮大な挑戦はこれからも続きます。

