厚板曲げ加工
風通しの良い組織づくりに注力
新たな事業の柱の構築へ
神戸市長田区で製綿業を営んでいた創業者は、隣接する鉄工所の経営権を譲り受け、鉄の厚板を曲げる金属加工事業に進出しました。部品加工から装置組み立てまでを行うようになり、1986年に稲美町に本社工場を移します。
80年前に作られたという水圧ポンプ機を使って130㎜の厚板を炉で熱して押し曲げ、円筒状にしてピタリと端を合わせる作業はまさに職人技。近年は発電機向けと半導体装置向けの2本柱で業績を安定させています。
3代目として吉原安紀社長が就任したのは2022年9月。
以来、“社員は会社の宝物”を全面に打ち出し、個人も会社も共に成長できる組織づくりに着手。社員の資格取得支援に加え、職人技の継承と人材育成を目的に工場長の下にリーダーを配置する組織改革を行いました。社員のコミュニケーションを促す研修を導入し、風通しの良い組織風土づくりに注力するとともに女性が働きやすい職場環境も整え、SNSで積極的に発信しています。来年には社員40人中女性の比率が25%まで高まる予定です。
23年3月には新工場が完成し、「厚板曲げと一貫製作の技術を生かした第3の分野の柱を育てていきたい」と次なる成長に向けた布石も打っています。