ステンレスタンク
粘り強く新分野を開拓
エンジニアリングへの進出も視野に
広大な工場で造られているのは大小さまざまなステンレス製タンクです。ステンレス薄板を曲げ加工機で円筒状にし、両端を溶接した後、上下のふたを溶接でつなぎます。食品加工向けの場合、菌の付着が許されないため表面はピカピカの鏡面に仕上げます。
1965年、大手食品工場から牛乳保管タンクを受注し、タンク製造がスタート。その後、加工技術を生かして蒸気釜や冷凍工程を担うトンネルフリーザーなど、製品の幅を広げていきます。2009年には、医薬品分野の製造に必要な第1種圧力容器製造許可を取得。そこで使う厚板(12㎜~)の溶接は方法が異なり、品質基準も厳しいため受注獲得に苦労しましたが、「諦めないことが最大の力と社員に呼びかけ、粘り強く取り組んできました」と木戸清隆社長。現在
は医薬品向けが全体の20%を超えるまでに成長し、近年はリチウムイオン電池向けも伸びています。
将来はタンクに配管や制御機器、電装部品などを組み合わせたプラントエンジニアリングに進出すべく、近くに現工場の3倍の広さの用地を取得し、数年内に新工場を建設する予定です。3代目となる木戸大展社長室長は「新しいチャレンジで、さらなる成長を目指す」と力強く語ります。