PCB処理
時代の先を読み
焼却や発電で社会に貢献する
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は工業的に優れた特性を持ち、電気機器などに幅広く使われていましたが、有害性があることから1972年に製造中止となりました。国はPCB廃棄物(PCB入りの電気機器など)の早期処理を目的に法整備を行い、PCB廃棄物の保管事業者に対し、2027年3月までの処分を義務付けています。
同社の山本宏光社長は処理件数の増加を見越し、04年にPCB処理が可能な高温焼却炉の建設を決断。12年には国から低濃度PCB処理施設(PCB濃度5,000ppm以下)に認定され、20年には、PCB汚染物の一部については10万ppmの濃度まで処理できるようになり、受注を増やしていきました。
PCB廃棄物の処分受け入れが終わる4年後を見据え、現在整備を進めているのが、食品廃棄物をメタン発酵処理し発生するガスで発電するバイオマス発電設備です。㈱神鋼環境ソリューションとの合弁会社を22年4月に設立し、24年6月の稼働を目指しています。「脱炭素に向け地域に貢献したい」と同事業を担当する同社企画室の石井章吾さん。その後には、現在の焼却炉を更新し、環境を意識した発電機能付きの焼却炉を新設する計画も温めています。