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2023年8月号

株式会社インテ

西宮市鳴尾浜3-7-3

TEL.0798-47-7700

事業内容/地中線の点検・補修、製品開発

代表取締役/家永義次

https://k-inte.co.jp

ひょうご中小企業技術・ 経営力評価制度を活用して

  • 客観的に事業を評価してもらえた
  • 自社の強みを再認識できた
  • その強みをより伸ばす契機となった

この事業について

「なければ自分たちで作る」の精神で
地中線工事事業者のトップを目指す

株式会社インテ

代表取締役家永義次
自社製品の代表格、ウォーターリング

点検から修繕そして製品開発へ

 送電鉄塔を建てるのが難しい市街地等では、変電所から地中に電力ケーブルを通して電気を事業所や家庭に送っています。同社は地中線工事の専門業者。地下数メートルの所に数人が作業できるマンホールを約300m置きに設け、その間を管路で結び、管路内部に電力ケーブルを敷設してつないでいきます。
 家永義次社長が創業した1980年代前半は、関西電力グループの協力企業として地中線の点検を専業にしていました。その後、「点検で修繕すべき箇所が見つかれば自分たちでやった方が、無駄がなく早い」と修繕も手がけるようになり、業績を伸ばしていきます。
 修繕時にはさまざまな問題が生じます。例えば、地下を掘った時に出てくる水は電力ケーブルにとって大敵。そこで管路に水が入るのを防ぐ商品を市中で探したものの見つからず、「なければ自分たちで作ればいい」と管路口を止水する「ウォーターリング」を開発しました。2022年には、(一社)日本電気協会が顕著な業績を上げた取り組みや技術を表彰する「澁澤賞」に選ばれました。
 ウォーターリングのほかにも、マンホール内で電力ケーブルを接続する箱に使われるさびやすいアルミ製留め具に代わる樹脂製バンド、地中に敷設した約300m長の電力ケーブルを回収するケーブル巻き取り車両などを開発し、同業者にも販売。「製品開発が点検、修繕と並ぶ三本柱の一つに育ちました」と語ります。

リモコンで巻き取りドラムを操作します

強みを自信に新たな事業にも進出

 昨春、メインバンクの尼崎信用金庫の担当者から技術・経営力評価制度を紹介され、受けることにしました。「業界内で当社だけが提供できる製品や工法を有していることによる優位性を確認し自信になった」と話すのは長男の家永督副社長。
 近年はメンテナンスフリーの電力ケーブルが普及し、点検、修繕の市場は縮小傾向にあります。そこで太陽光発電や風力発電など新たな工事に進出する一方、地中線工事で直面する課題の解決につながる製品の開発をさらに強化していこうとしています。
 今後新たに取り組むのが警備業です。「工事中は必ず警備員を配置しなければなりませんが、人手不足が深刻な状況です。確保できなければ工事が止まるリスクを考え、自前で始めることにしました」と督副社長。「なければ自分たちで作る」の精神はここでも生きています。2年前には新社屋が完成し、働きやすい環境を整えています。「当社の取り組みが全国の地中線工事事業者のモデルになるよう先頭を走っていきたい」と督副社長はさらに先を見据えています。

2年前に新築した新社屋にはグループ会社も入居