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2025年4月号

東北電子工業株式会社(姫路工場)

姫路市白浜町宇佐崎中3-2-1

TEL.079-280-2420

事業内容/自動車部品の受託製造

総合企画課主任/千葉 悠介

https://www.satorick.co.jp

ひょうご・神戸投資 サポートセンターを活用して

  • 速やかに物件情報を提案された
  • 兵庫県内で早期に操業できた
  • 県や市の支援情報を得られた

この事業について

電気自動車普及の一翼を担い
宮城県外で初の工場を姫路に開設

東北電子工業株式会社(姫路工場)

総合企画課主任千葉 悠介
姫路工場では射出成型機が8台稼働しています

電子部品から主力は自動車部品へ

 宮城県石巻市に本社を置く同社は、主に電子部品と自動車部品を製造しています。近年は脱炭素社会へ向けた動きや原油価格の高騰を受け、ハイブリッド車や電気自動車の二次電池の構成部品の注文が引きも切らず、2023年に開設した姫路工場も24時間フル稼働しています。
 同社は1980年、電子部品メーカーの下請け製造会社として創業。当初は組み立ての一部工程を受け持つ程度
でしたが、海外で日本製電子部品の需要が高まるにつれて業域を拡大していきました。「自社で端子を作ること
から始め、その後、射出成型機や自動組み立て機を導入する中で、電気や金型、機械に関する技術と知識が培われました」と総合企画課の千葉悠介主任は話します。
 現在では、製品設計から工程設計、生産準備、量産までを一貫して受託できる体制を確立。2009年にハイブ
リッド車の二次電池に使用する部品を受注してからは、自動車部品の製造がウエートを占めていきました。

出荷前には入念に検品します

短期間で新工場の物件を決定

 宮城県で事業を展開してきた同社に、兵庫県内への工場設置の話が浮上したのは2022年5月。電気自動車用二次電池の生産拡大を目指していたところ、取引先を通じて、姫路市に拠点を置くバッテリーメーカーからの注文を受けることになりました。
 兵庫県について調べる中で、ひょうご・神戸投資サポートセンターの存在を知り、早速、播磨地域の物件情報の提供を依頼しました。産業団地の分譲用地といくつかの居抜き物件を提案され、6月に幹部社員が現地を視察。そこでは決定に至らず、追加で提案された物件の中から、7月、姫路市の臨海部にある元機械部品工場の建物に決めました。「早期に操業できることが第一条件でした。センターには迅速に対応していただくとともに、雇用や設備投資に関する兵庫県や姫路市の支援制度についても教えていただきました」と千葉主任は振り返ります。
 翌23年6月、姫路工場は操業を開始。宮城県から出向中の社員14人、現地採用の社員7人に派遣社員を加えた約40人が勤務し、リチウムイオン電池の保護ケース等の製造に当たっています。「出向組を宮城の工場に早く戻すためにも、現地採用者から工程管理や金型の保全を任せられるリーダーが育ってほしいですね」
 人材育成が急務の一方、自動車部品メーカーとバッテリーメーカーからはさらなる増産を求める声が上がっているそうです。「近い将来、生産規模を拡大する可能性があります。その時は、再びセンターの力をお借りしたいと考えています」と千葉主任。循環型社会の実現に向け、同社はますます存在感を増していくことでしょう。