約40年愛された伯父の店の味を継承
若い感性で市場を活性化させる存在に
焼きそば専門店 雅功

大学を卒業した年の暮れに開店
神戸市兵庫区のマルシン市場に店を構え約40年間愛された「クレープハウス・お好み焼き くれよん」の味を引き継ぐ「焼きそば専門店 雅功」が2025年12月、同市場内にオープンしました。店主の前田悠斗さんは、くれよんの元店主のおいで、同年3月に大学を卒業したばかり。学生時代から飲食店開業を見据えて自身の知名度を上げるべく、大ファンであるダウンタウン浜田雅功さんのテレビ番組のロケ地を巡り、その様子をSNSで発信するなど準備を進めていました。「大学を卒業してすぐの4月、闘病していた伯父が亡くなり、くれよんは閉店することに。地元で長く親しまれた店がなくなるのは寂しいと思い、味を引き継ぎました」と振り返ります。
浜田さんにちなんだ店名を付け、メニューも浜田さんの好物の焼きそばを選択。作り方は伯父と共に店に立っていた伯母から学びました。「味の決め手になるソースは長田区の地ソースと西区にあるメーカーのウスターソースをブレンドしています。西区のソースは生産量が少なく新規客は受け付けていませんが、伯母の紹介で仕入れることができました」と話します。
こだわりの味を伝授されたことともう一つ、前田さんの武器となったのがラーメン店でのアルバイト経験です。「接客から調理、発注、運営のノウハウまで身に付けたので、自分の店も一人で安定して回せています」

市場に人を呼び込む起爆剤に
開業に当たりまず課題となったのが出店場所です。くれよんの旧店舗は先約があったため、向かいの物件を希望したところ、市場の理事長が、空き次第、確保してくれました。さらに「資金面の助けに」と理事長から紹介されたのが、ひょうご産業活性化センターの「商店街新規出店チャレンジ応援事業」です。「事業計画書の書き方など、センターの担当者がアドバイスしてくれたのでスムーズに手続きができました」と振り返ります。
補助金を内外装の工事費に充て、急ピッチで開店準備を進める前田さんの力になりたいと、書道や絵が得意な友人が、のれんの文字とメニュー表を引き受けてくれたそう。「皆さんのおかげで市場の入り口という場所にふさわしい、下町の温かみが感じられる店になりました」
開店から約半年がたち、くれよんの常連客はもちろん、SNSで開店を知った全国の浜田ファンも足を運ぶ人気店に。「『あの店、おいしいよ』と他店も宣伝する市場ならではの連帯感と人情に助けられています。市場の魅力をSNSで発信し、人を呼び込む起爆剤となって恩返ししたいです」と前田さん。そしていつの日か、浜田さんに自慢の焼きそばを食べてもらうことを夢見ています。

