自社一貫体制の足場工事を軸に
多様な事業展開で職人の長期就労をかなえる
㈱アイレット

新事業でワンストップ体制を確立
伊丹市に本社を構える同社は、足場の組み立て・解体工事を中核に、運送事業や人材派遣事業等も展開しています。小島修社長は高校時代に阪神・淡路大震災を経験し、「まちの復興に携わりたい」と建設業界に飛び込みました。2004年、26歳で独立し創業、17年には法人化を果たしました。
同社の最大の強みは、足場の調達、現場までの運送、職人による施工を全て自社で賄うワンストップ体制にあります。「西宮市にある約1,500坪の資材ヤードにさまざまな足場を保管しているので、災害復旧工事などの緊急案件にも迅速に対応することができます」と小島社長は話します。24年には約3億円を投資して、軽量かつ組み立てが簡素化された「次世代足場」を導入。施工時間の短縮、輸送・保管コストの削減を実現したことで温室効果ガスも削減され、SDGsの観点からも業界をリードしています。
足場工事にとどまらず、新事業への挑戦も続ける同社は26年、運送事業を開始。自社資材搬送の効率化・迅速化を図るとともに、業界全体のドライバー不足を踏まえ、他社からの運送のみの依頼にも応えています。これにさかのぼり21年からは、製造業界向けの人材派遣事業も展開。言語面や生活面のケア体制を社内に整えた上で、ベトナム人の優秀な技術者を確保し、企業のニーズに応じて派遣しています。

セカンドキャリア設計が高評価
同社の多角的な事業展開は、職人のセカンドキャリアを見据えたものでもあります。50代半ばで体力的な限界を迎えることが多い足場職人が、ドライバーや人材派遣の管理業務へと転換できるルートを整備し、長く安心して働き続けられる環境を構築しています。
2025年、金融機関からの紹介をきっかけに「ひょうご中小企業技術・経営力評価制度」を受審した同は、専門家によるヒアリングを経て、事業展開力や長期就モデルなどが高く評価されました。「自社の強みが明確
になり、今後の事業推進に向けた自信につながりまし
た」と小島社長。一方で、従業員約70人、平均年齢30代前半という体制を維持するには、若い人材を継続的に採用・定着させる重要性が浮き彫りに。センターの「経営専門家派遣事業」などを活用し、人材採用の改善計画策定を検討しています。
「今後は、足場を組まずにレーダー等で建物の劣化診断をするドローン事業にも進出し、若い人が建設業界興味を持つきっかけをつくりたい」と小島社長。評価制度をステップに、さらなる飛躍が期待されます。

