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2024年2月号

合名会社アリモト

加西市常吉町字東畑647-9

TEL. 0790-47-2220

事業内容/せんべいの製造・販売

代表社員/有元誠次朗

https://arimoto.co.jp

設備貸与制度を 活用して

  • キャッシュを減らさず設備投資ができた
  • 生産効率が1.5倍アップした
  • システム投資にも利用できた

この事業について

積極的な設備投資で
ジャストインタイムの生産方式へ

合名会社アリモト

代表社員有元誠次朗
袋詰めは手作業で

健康志向を追い風に売り上げ増加

 同社は主に玄米を使ったせんべいを製造、販売しています。有機農法で育てられた国産米、天日製塩法による原塩で造られたしょうゆを使用するなど、安全・安心な商品づくりを徹底。近年の健康志向も相まって、着実に売り上げを伸ばしています。
 創業は1952年。当初は姫路でかりんとうを生産していましたが、体に良いものをという周囲のアドバイスもあり、玄米を使ったせんべいに舵を切りました。「おそらく玄米のせんべいは世界で初めての試み。商品化までは困難を極めたようです」と有元誠次朗代表は創業者である祖父の苦労をしのびます。
 商品開発にたけていた2代目代表の有元年信会長は、次々に新たな商品を送り出しました。地元産酒米を原料にした「山田錦せんべい」は道の駅などで人気商品に。2007年にはJAS法に基づいたオーガニック認証をいち早く取得し、ヨーロッパへの輸出も増やしています。

新規導入した包装管理システムのモニター

効率化投資で設備貸与制度を活用

 有元代表が注力しているのが、生産性の向上に向けた取り組みです。「需要の伸びに供給が追い付いておらず、時に欠品も出すこともあったため、本腰を入れることにしました」。そこで着目したのが「必要な商品を、必要な時に、必要な量だけ」生産する、いわゆるジャストインタイム方式でした。
 従来は焼き上がったせんべいの量を量り、袋詰めまでを自動化した大型設備を利用していましたが、「更新には初期投資の負担が大きく、また大量に生産した後の在庫費用なども含めると高コストになっていることが分かりました」。そこで、重量測定、袋詰めの作業を人手に改め、少量多品種を柔軟に生産する方式に変えました。併せて、ミスが発生しないよう一品ごとの仕様をマニュアル化し、現場に設置したタブレットで瞬時に確認できるようにしました。その結果、生産効率が1.5倍になるなど早速成果が表れています。
 ジャストインタイム方式に伴う新たな設備の導入には、ひょうご産業活性化センターの設備貸与制度を活用しました。「本年度だけで金属検出機2台、包装管理システム、電気乾燥機と4回利用しました。借り入れを行わず手元にキャッシュを残しながら設備投資できることは大きなメリット。システム投資に活用できるのもありがたかった」
 今後はオーガニック食品をさらに強化していこうと、上流の生産設備についても効率化投資に着手する予定です。「引き続き、設備貸与制度を活用したい」と有元代表は話します。

工場に併設の直売所「半月庵」