食材ストア
地場の野菜から全国の食材まで
目指すは「駅近の道の駅」
昨年10月、神戸市営地下鉄西神中央駅前の商業施設に開店した食材ストア「ほのかの果実」には、近隣地域で取れた野菜が並んでいます。「これは生のままでも食べられるピーマン。こちらは熱を入れると甘みが増すトマトです」。収穫に立ち会い、「旬の野菜を新鮮なうちに食べてほしい」というスタッフの説明に引き込まれ、客の財布のひもも緩みます。
野菜や果物だけではありません。川﨑仁嗣社長自ら神戸市内はもちろん全国に足を延ばして生産者、メーカーと直接交渉して仕入れた食材も所狭しと並んでいます。「駅近にある道の駅のような感覚で買い物を楽しんでほしいですね」
川﨑社長は設計事務所を経営していた時に取引先が倒産し、多額の借金を抱えてしまいます。その後、会社勤めをして完済したのを機に50万円の元手で芦屋市内の青果店を買い取りました。現金商売で利ざやを稼ぎながら、一つ、また一つと店舗数を増やしていきます。
「店の立地に合わせ品ぞろえを変えるなど、常に収益が向上することを考えています」。直近では韓国で人気のインスタントラーメンの輸入元となり、コンビニエンスストアへ卸すことが決まったそう。「まだまだ模索途上です」。あくなき事業欲の完成形はしばらく先になりそうです。