英国文化を感じられる理想の空間で
紅茶とくつろぎのひとときを提供
Tearoom Coco.


人気紅茶専門店が装いを新たに
2024年8月、阪神西元町駅から歩いてすぐの商店街、メルカロード宇治川にオープンした同店は、アンティーク調の木製ファサードが目印。ガラス面を大きく取ったデザインは、英国の住宅に見られるサンルームをイメージしています。「気に入った写真や雑誌の切り抜きを大工さんに見せて造ってもらいました。理想通りの出来栄えで満足しています」と店主の山上貴子さんは話します。
山上さんはホテルとアパレルブランドで計15年間、接客業に従事した後、「紅茶を楽しめる店がしたい」と13年にメルカロードの近くにあった実家を改装し、最初の店をオープンしました。「紅茶は子どもの頃から一番好きな飲み物。通りに面した一室を使い、6席だけの小さな店でした」。店名の「Coco」はフランス語で「かわいい」「小さい子」といった意味だそうです。
オリジナルのセイロンブレンドティーなど常時50種の茶葉をそろえ、好きなティーカップを選べるスタイルや自家製スコーンが評判の人気店へと成長しましたが、老朽化により取り壊すことに。「常連客が来られる範囲内」で物件を探し、現店舗に行き着きました。

商店街の活性化にも意気込み
昨年5月に入居を決め、ひょうご産業活性化センターの「商店街若者・女性新規出店チャレンジ応援事業」の補助金を活用して内外装の工事に着手しました。「メルカロードの活性化に関わっている方から補助金のことやセンターの連絡先を教えてもらいました」と山上さん。補助を受けられる条件として、出店先の商店街がある市町に空き店舗活用関係の補助金・助成金等の交付申請をする必要があります。「センターの担当者が神戸市につないでくれたおかげで、スムーズに手続きができました。事業計画書を基に、商業アドバイザーからは経営に役立ちそうな助言を受けました」
工事は急ピッチで進み、1カ月半ほどで完工しました。天井と壁は白色、調度品は木製で統一。ティーカップが並ぶ特注の棚が目を引きます。席数はテーブル9席、カウンター4席に増えました。「スペース的にはもっと椅子を置けますが、お客さんにくつろいでほしいし、一人で切り盛りするにはこれぐらいがちょうどいいです」
オープンから2カ月後、昨年10月に開催された「宇治川音楽祭」では飲食のブースを出店。続く月末のハロウィーンでは、仮装した子どもたちに焼き菓子を配りました。「商店街の一員として積極的に盛り上げに協力したいです」。現在、店先にイングリッシュガーデン風の演出を計画中だそう。間もなく美しい花々が歩行者の目を楽しませてくれることでしょう。
