「スイーツ×ローカル」で
地域の飲食業の未来を創る
株式会社 Lighthouse
購入客の7割はインバウンド
同社が1号店としてオープンした「姫路城おひざもとしろプリン」の店舗は、姫路城を間近に望む大手前通りに面しています。昨年7月のオープンから1年が経過し、シーズンごとの顧客の購買動向や商品の嗜好(しこう)をおおよそつかめてきたと春日大輝社長は語ります。「想像以上だったのはインバウンドが購入客の7割を占めていること。それも通りすがりではなく、Googleの口コミを見て来店する人が増えており、今後の手応えを感じています」
大学卒業後、食品メーカーを経て勤務したコンサルティング会社で飲食関連事業者の支援に携わった春日社長。人口減少が進む地方部では、域内客を対象にするだけでは生き残りが難しくなる中、「観光客向けのスイーツを開発することによって新たな道を切り開く支援を行ってきました」。成功事例を一つ一つ積み重ねるうちに自身も「スイーツ×ローカル」で事業を起こしたい、そして世界的に評価の高い日本のスイーツを海外にも売り込みたいと考えるようになったそうです。出店先として選んだのが姫路。「直前の勤務地は東京でしたが、出身地の兵庫県で出店したいと考え、観光客が多く、中でもインバウンドが多数を占める姫路に決めました。プリンを扱うことにしたのは少人数でたくさん作ることができ、持ち運びもしやすいからです」
年内にベトナムにも店をオープン
売り上げの半分を占める「しろかべプリン」は、姫路城の白壁に見立てたアーモンド入りメレンゲが食感にアクセントを添えます。姫路産の卵を使った「たまごプリン」、市内の酒蔵の日本酒を使った「日本酒プリン」など地域にこだわった商品をそろえています。起業家支援事業(ふるさと枠)の利用に当たっては、申請時に兵庫県よろず支援拠点の担当者のサポートを受けながら綿密な事業計画書を作成したことで、「自分のやるべきことが言語化できました」と振り返ります。
助成金で店舗を改装し自動釣り銭機を購入したほか、ふるさと枠ならではの利用法として県外からの引っ越し代にも充てました。「どこで起業しようか迷っている時、故郷で起業してみようという意欲を高める良い制度だと思います」もう一つの目標である海外進出についても着々と準備を進めており、年内にもベトナムのホーチミンにスイーツ店を開設する予定です。「スイーツ×ローカル「」スイーツ×グローバル」で培った体験を基に、地方の飲食店をサポートする事業も視野に入れている春日社長。「ローカル飲食業に従事する人たちの幸せと地方の元気を後押ししたい」と意気込みます。